2015年1月19日月曜日

確定拠出年金、中小企業、専業主婦にも拡大

 厚生労働省は16日、社会保障審議会の企業年金部会で、自営業者らが対象の個人型確定拠出年金の加入範囲を、主婦や公務員にも拡大し、年金加入者なら誰でも入れるようにする案をまとめました。

年間の掛け金上限額は主婦27万6,000円、公務員14万4,000円。対象者は現在の約4000万人から約6800万人に増える予定です。
 企業型では、中小企業向けには簡易型の確定拠出年金をつくります。事務作業を金融機関が代行できるようにして、導入しやすくします。
 また、確定拠出年金から、確定給付年金に資産を移すことも可能になる予定です。
 来年度からの実施を目指し、1月招集の通常国会に関連法改正案を提出します。

2015年1月14日水曜日

「障害基礎年金の障害認定の地域差に関する調査結果」が公表されました(厚労省)

 日本年金機構は、障害基礎年金について新規に申請を受けて決定を行った事例のうち、都道府県の事務センターにおいて不支給と決定された件数の割合が都道府県間で異なることから、各都道府県における障害基礎年金の認定事務の実態を調査しました。

<調査結果のポイント>
1.   障害基礎年金について新規に申請を受けて決定を行った事例のうち、精神障害・知的障害にかかる事例の割合が全体の66.9%を占めていた。また、不支給割合が高い県は、精神障害・知的障害の等級非該当割合(注)が高く、不支給割合が低い県は、精神障害・知的障害の等級非該当割合は低かった。
(注)決定を行った事例のうち、障害の程度が2級に達せず、都道府県の事務センターで不支 給となる件数の割合をいう。 
2.  肢体の障害の等級非該当割合は、不支給割合が低い県でも低くない場合があるなど、不支給割合の地域差と必ずしも同じ傾向となっていなかった。

3.  内部障害や外部障害(肢体の障害を除く)の等級非該当割合は、ある程度の地域差がうかがえるが、抽出した事例数が少ないことから、地域差の傾向を確認することは困難であった。

4.  精神障害・知的障害の年金支給状況を、診断書の記載項目の一つである「日常生活能力の程度」で見ると、
不支給割合が低い10県においては「日常生活能力の程度」が(2)相当であることが障害基礎年金を支給する目安(障害等級2級相当)となっている一方、
不支給割合が高い10県においては「日常生活能力の程度」が概ね(3)相当であることが障害基礎年金を支給する目安となっていた。
※ 精神障害・知的障害については、診断書に記載された「日常生活能力の程度」のみではなく、具体的な症状や治療の経過、日常生活状況等を総合的に評価し、認定しているため、診断書に記載された「日常生活能力の程度」が同じであっても、認定結果に差異が生じることはあり得る。
「日常生活能力の程度」が(2)の場合
     不支給割合が低い10県→ 5.3%が等級非該当
     不支給割合が高い10県→70.8%が等級非該当

(参考)
「日常生活能力の程度」・・・請求者が日常生活においてどの程度援助を要するかを、
(1)~(5)の5段階で評価するもの。
     (2)精神障害(知的障害)を認め、
       家庭内での日常生活は普通にできるが、
       社会生活には、援助が必要である。
     (3)精神障害(知的障害)を認め、
       家庭内での単純な日常生活はできるが、
       時に応 じて援助が必要である。
(精神障害・知的障害の診断書より抜粋)
なお、国民年金・厚生年金保険障害認定基準では、
2級は「残遺状態又は病状があるため人格変化、思考障害、その他妄想・幻覚等の異常体験があるため、
日常生活が著しい制限を受けるもの」(統合失調症の例)などと規定されている。

5.   精神障害・知的障害の診断書に就労状況についての記載がある場合の等級非該当割合(12.5%)と、記載がない場合の等級非該当割合(11.9%)に、大きな差異はなかった。 
6.  初診日不明による却下処分となった割合は、全体で0.7%であった。また、初診日の判定にかかる地域差の傾向を確認することは困難であった。

詳しくはこちらをご参照ください。
http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/0000070967.html