2015年10月17日土曜日

年金事務取扱の変更 平成27年10月~

平成27年10月から、年金に関する事務取扱いが変更になりました。

  1. 「70歳以上被用者該当届」の提出者の範囲拡大
  2. 同月中の被保険者の資格取得・喪失に関する保険料の取扱い変更

1 「70歳以上被用者該当届」の提出範囲拡大

昭和12年4月1日以前に生まれた者(※)は「70歳以上被用者該当届」の提出を不要とされていました。
この取り扱いが変更され、今後は提出を要することとなります。
(※)平成27年10月時点で78歳(誕生日前の場合には77歳)以上

  提出に伴う影響

提出書類には、該当者の報酬額を記載します。
それに基づき報酬と年金額に応じた老齢厚生年金の支給停止が行われます

  保険料について

70歳以上の者は厚生年金保険の被保険者とはなりませんので、上記書類を提出した場合であっても、保険料は徴収されません

  参考までに

「平成12年4月1日以前生まれの者」が提出不要とされていたのは、平成19年に行われた法改正と関係があります。

厚生年金保険では、70歳になると被保険者の資格を喪失します。
前述の「報酬と年金額に応じた老齢厚生年金の支給停止」は、被保険者を対象として行われるため、平成19年3月以前は、70歳以上の者(=被保険者資格を喪失)は会社から報酬を受けている場合であっても支給停止の対象とならず、報酬と年金の両方を全額受けることができました。

現役世代に重い負担を課している中で、70歳以上の者で高収入を得ているものに対する老齢厚生年金の支給は、世代間の公平性に欠けるとのことから、平成19年4月より、70歳以上の被用者に対しても報酬と老齢厚生年金額とで支給調整をすることになりました(70歳以上被用者該当届を提出させ報酬額を把握)。
ただし、この運用は平成19年4月以降に70歳に達する者を対象とされ、平成19年4月時点ですでに70歳以上の者(昭和12年4月1日以前生まれの者)は対象外とされました。

今回の改正により、これまで提出不要とされていた方も提出対象者とし、一定の報酬額と年金額を受けている場合は、年金額の全部または一部の支給を停止されることとなります。

なお、4分の3未満の働き方等で「70歳以上被用者該当届」の提出対象とならない方については、今回は「不該当届」は提出しなくてもよいとのことでした(年金事務所確認済)。

2 同月中の被保険者の資格取得・喪失に関する保険料の取扱い変更

厚生年金保険の被保険者資格を取得した月に、資格を喪失した者(要は、入社してすぐに辞めてしまったケースです)が、さらのその月に国民年金の第1号被保険者となった場合の保険料の取り扱いが変わります。

従来厚生年金保険国民年金の両方の保険料を納付
今後国民年金保険料のみでよい

該当者する被保険者が在籍していた事業所には年金事務所から連絡があります。
既に給与支給を終えていた場合は、返金が生じる可能性があります。

なお、健康保険(および介護保険)では、このような取り扱い変更が行われていませんので、同月中に取得、喪失があった場合であっても従来どおり(保険料を納付)とされます。

2015年10月11日日曜日

障害年金の初診日を明らかにすることができない場合の特例

の省令の規定による手続のうち、障害の原因となった疾病又は負傷の初診日を明らかにすることができる書類を添えなければならないものについて、当該書類を添えることができないときは、当該初診日を証するのに参考となる書類を添ることとされた

① 厚生年金保険法施行規則
② 国民年金法施行規則
③ 厚生年金保険法施行規則等の一部を改正する省令
④ 特定障害者に対する特別障害給付金の支給に関する法律施行規則

この省令は、平成2710日から施行される

日本年金機構に提出する住民票は個人番号(マイナンバー)の記載がないものを

日本年金機構は当分の間、日本年金機構のシステムにおいて個人番号の利用ができなくなったことに伴い、提出する住民票は個人番号(マイナンバー)の記載がないものを提出するように呼びかけています。詳細は下記を参照。

2015年10月1日木曜日

年金の世代間格差が拡大 厚労省試算

 厚生労働省は9月28日、支払った公的年金の保険料に対し、生涯でどれだけの給付が受けられるかを世代ごとに試算した結果を公表しました。

会社員が入る厚生年金では、現在70歳の世帯が保険料の5.2倍の年金を受け取るのに対し、30歳以下の世帯は2.3倍にとどまり、前回2010年の試算より世代間格差が拡大した形となりました。
 試算によると、厚生年金の場合、現在70歳の世帯は1000万円の保険料を支払い、受け取る年金は5200万円になります。現在30歳の世帯は保険料が2900万円で、年金が2.3倍の6800万円。国民年金では、70歳は負担の3.8倍を受け取れるが、40歳以下は1.5倍となりました。