2015年9月30日水曜日

3つの共済年金制度が厚生年金に統一されます

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~平成27年10月から、年金の仕組みが一部変わります~

平成27年10月1日から「被用者年金一元化法」によりこれまで厚生年金と三つの共済年金に分かれていた被用者の年金制度が厚生年金に統一されます。主な変更点は次のとおりです。
  • 統一後の厚生年金に関する届書等は、ワンストップサービスとして日本年金機構または各共済組合等のどの窓口でも受付します。
  • 平成27年10月以降の統一後の厚生年金の決定・支払は、これまでどおり、日本年金機構または各共済組合等がそれぞれ行います。
  • 共済組合等の加入期間がある方で、統一後に年金を受ける権利が発生する被保険者および受給者の方については、共済組合等のほか、日本年金機構の窓口でも相談できます。

1・届書等の受付

統一後の厚生年金に関する届書等※1は、ワンストップサービスとして日本年金機構(年金事務所)または各共済組合等の実施機関※2のどの窓口でも受付します。
また、これまで他の実施機関に係る加入期間や年金の受給を明らかにする書類として、「年金加入期間確認通知書」や「年金証書」等の提出が必要でしたが、原則として添付が不要となります。
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(1)統一前に権利が発生した共済年金に関する各種届書等は従来どおり各共済組合等が受付します。
(2)障害給付の届書等の一部の届書を除きます。
(3)年金の請求書は、現在加入しているまたは最後に加入していた実施機関から郵送されます。
※2
実施機関とは、厚生労働大臣(日本年金機構)、国家公務員共済組合、地方公務員等共済組合、私立学校教職員共済を指します。
ワンストップサービスのイメージ

2・年金の決定・支払

(1)統一後の老齢厚生年金および遺族厚生年金(長期要件:年金を受けている方が亡くなった場合等)は、それぞれの加入期間ごとに各実施機関が決定・支払を行います。
年金の決定・支払のイメージ1
(2)統一後の障害厚生年金、障害手当金および遺族厚生年金(短期要件:被保険者が亡くなった場合等)については、初診日または死亡日に加入していた実施機関が他の実施機関の加入期間分も含め年金額を計算し、決定・支払を行います。
年金の決定・支払のイメージ2
(3)統一後の複数の老齢厚生年金を受ける権利のある方が、老齢厚生年金の繰下げ請求を行う場合は、すべての老齢厚生年金について繰下げ後の年金が支給されます。
年金の決定・支払のイメージ

3・年金相談

共済組合等の加入期間がある方で、統一後に厚生年金を受ける権利が発生する被保険者および受給者の方は、共済組合等のほか、日本年金機構(年金事務所)の窓口でも相談ができます。
(注)統一前に権利が発生した退職共済年金などの共済年金に関する相談を行うことはできません。
(1)年金事務所で相談を行うことができるのは、統一後の厚生年金に関する相談です。
(2)各共済組合等が管理する受給者記録および被保険者記録について、年金事務所で行える照会の内容は次のとおりです。

年金の受給資格の有無に関する照会

統一後の厚生年金を受ける権利が発生する方からの年金を受けるために必要な資格期間に関する照会

受給記録に関する照会

各共済組合等が支払を行う統一後の厚生年金について、年金額、年金額の変更理由、支払額等に関する照会。
【ご注意ください】
●年金額の決定、改定に至った経緯等を確認される場合は、決定・処分を行った各共済組合等に直接照会していただく必要があります。

被保険者記録に関する照会

各共済組合等の加入期間を有する方からの被保険者記録(加入期間や標準報酬月額等)に関する照会。
【ご注意ください】
●共済組合等で管理する加入期間の調査を依頼する場合や標準報酬月額等の決定に至った経緯を確認する場合は、各共済組合等に直接照会していただく必要があります。

その他被用者年金の統一にあわせて次の事項も変更されます

(1)年金額と支払額の端数計算が変更されます。
●年金額について、統一前の厚生年金は百円単位(50円未満切捨て50円以上切上げ)でしたが、全て一円単位(50銭未満切捨て50銭以上切上げ)に変更されます。なお、年金額の変更は、統一後、はじめて年金額が改定となったときから変更されます。
●年金の各支払期の端数処理について、統一前の厚生年金は各支払月に1円未満の端数が生じたときは切り捨てていましたが、統一後は切り捨てた金額の合計額を翌年2月にお支払いする年金額に加算します。
(2)在職支給停止の計算方法が変更されます。
複数の実施機関から統一後の老齢厚生年金を受けている方が在職中の場合は、それぞれの年金額を合算したうえで支給停止額を決定します。そのうえで、この支給停止総額をそれぞれの年金額に応じて按分した額が、それぞれの老齢厚生年金の支給停止額となります。
(注)統一前から老齢厚生年金(退職共済年金)を受け、かつ、統一前から引き続き被保険者である方は、その被保険者期間の資格を喪失するまでの間に限り、支給停止額に関する激変緩和措置(急激に年金額が下がらないようにする措置)が講じられます。
(3)障害年金の支給要件(保険料納付要件)を厚生年金の取扱いに統一します。
(4)共済年金にある遺族給付の転給制度を廃止します。
(5)共済年金にある公的年金としての3階部分(職域部分)が廃止され、新たに「年金払い退職給付」が創設されます。

ホームページ「いっしょに検証!公的年金」が更新されました (厚労省)

 厚生労働省は9月29日、公的年金制度への理解を深めるためのホームページ「いっしょに検証!公的年金」の内容を、平成26年財政検証の結果に基づいて更新しました。これまでは、前回実施された平成21年の財政検証に基づいていました。

【今回のホームページ更新のポイント】
・これまで紹介していた平成21年財政検証の前提や結果について、説明文や本文中の図表を平成26年財政検証の内容に更新
・オプション試算については、新たにWebマンガの第12話「オプション試算ってなに?」を作成し、試算の背景や内容を、身近な具体例を挙げてわかりやすく説明
(既存のWebマンガ(第0話~第11話)に変更はなし)
ホームページ「いっしょに検証!公的年金」のURL
http://www.mhlw.go.jp/nenkinkenshou

2015年9月14日月曜日

新たな企業年金制度導入 厚労省

 厚生労働省は企業年金の導入を促すため、新たな制度をつくる方針を決定しました。

新制度は「リスク分担型確定給付年金(仮称)」といい、確定給付年金と確定拠出年金の中間の位置づけになります。
 加入者が運用による給付額の変動リスクを負う一方、企業は給付に必要な額よりも多めに掛金を出すことを義務づけられます。労使で負担を分け合い、企業年金を維持しやすくするというものです。
新たな制度を導入することで選択肢を増やす狙いもあります。
 2016年4月に導入する予定です。