2015年12月13日日曜日

年金新指針で精神障害者ら7.9万人、受給減額・停止も(医師団体推計)

 国の障害年金の支給・不支給判定に大きな地域差があるのを是正するため、厚生労働省が来年から導入予定の新しい判定指針について、全国の精神科医でつくる団体が「障害基礎年金を受け取っている精神・知的・発達障害者のうち、1割に当たる約7万9千人が支給停止や支給減額になる恐れがある」との推計を12日までにまとめた。
 日本精神神経学会など7団体でつくる「精神科七者懇談会」で、同会は「年金を受給できなくなると障害者は大きく動揺し、症状の悪化や意欲の低下につながる」と指摘。厚労省に柔軟な対応を申し入れた。
 障害年金では、日本年金機構の判定にばらつきがあるため、不支給とされる人の割合に都道府県間で最大約6倍の差がある。これを受け厚労省は、最重度の1級から3級まである等級を判定する際の指針を作成。精神障害者らの日常生活能力を数値化し、等級と数値の対応表を判定の目安としてつくった。
 2009年時点で障害基礎年金を受け取る精神障害者らは約79万人おり、団体側は対応表に当てはめた場合、等級が下がる人が何人出るかを推計。その結果、1級の受給者約5万6千人が2級への変更が予想され、支給が減額される。2級の約2万3千人は3級となる可能性が高い。障害基礎年金は3級では対象外のため支給停止となる。

新たな判定指針:等級判定のガイドライン(案)はこちら

2015年12月9日水曜日

障害認定日の特例で初診日より9か月で障害認定(脳内出血)

 私がお手伝いをしている脳内出血で入院中の方の障害年金が初診日から9か月で認定されました。本来、障害認定日は初診日から1年6か月後と決まっていますが、それには特例があります。

  脳内出血は初診日より6月経過した日以後に、医学的観点からそれ以上に機能回復が殆ど望めないと認められるとき。(初診日から6ケ月が経過した日以後に症状が固定したと認定された場合のみ)というのに該当したのです。

主治医の先生に機能回復の見込みがないと判断されたのです。それはそれで悲しいことですが、障害年金を早く受給できることになり、金銭的にはとても助かると喜んでいただきました。

障害認定日の特例の事例

  1.  人工透析療法を受け始めてから3ケ月経過した日、かつその日が初診日から1年6月以内の場合  
  2. 人工骨頭又は人工関節を挿入置換した日
  3. 心臓ペースメーカー、植え込み型除細動器(ICD)、人工弁CRT(心臓再同期医療機器)、CRT-D(除細動器機能付き心臓同期医療機器、人工血管(ステントグラフトを含む)等を装着した日    
  4. 平成27年5月31日迄,人工肛門造設新膀胱の造設尿路変更術等実施した日

    平成27年6月1日より、認定基準を一部改正となりました
    人工肛門を造設した場合や尿路変更術を施した場合、完全排尿障害状態となった場合の障害認定を行う時期を、これらの状態となってから6カ月を経過した日(初診日から起算して1年6カ月を超える場合を除く)に見直されました。
  5. 肢体を離断・切断した障害は、原則として切断・離断した日(障害手当金の場合は、創面が治癒した日
  6. 喉頭全摘出した日
  7. 在宅酸素療法を開始した日
  8. 脳内出血は初診日より6月経過した日以後に、医学的観点からそれ以上に機能回復が殆ど望めないと認められるとき。(初診日から6ケ月が経過した日以後に症状が固定したと認定された場合のみ)
  9. ALSで非侵襲的陽圧換気療法(NPPV)の開始時(293号裁決)
  10.  (H26年4月施行)
    遷延性意識障害(植物状態)の状態に至った日から起算して3月を経過した日以後、医学観点から、機能回復が殆ど望めないと認められたとき(初診日から1年半以内に限る)
  11. 胸部大動脈瘤解離、大動脈瘤解離で人工血管挿入手術をした日

2015年12月7日月曜日

障害年金の診断書(精神の障害用)記載要領を明確化


 厚生労働省は障害年金の地域間格差の解消に向けて専門家検討会を開き、基準作りを行っています。第7回検討会において下記のような対策案が公表されましたのでお知らせします。
これは、障害年金の診断書(精神の障害用)記載要領を明確にしたもので、主治医が診断書を書く際の参考にしてもらうことを念頭に、平成28年1月1日より運用される見込みです。
また、当事者が日常生活の状況を判断する基準にもなるもので病歴・就労状況等申立書を書く際の参考になると思われます。。

等級判定に用いる情報の充実に 向けた対策について

2015年11月25日水曜日

統合失調症で初診日問題を解決し、障害基礎年金1級を受給

  統合失調症で入院中のAさん、今まで初診日の証明ができずに、障害等級は該当するのに、障害年金が受給できませんでした。
 Aさんの成年後見人から依頼を受け、今まで受診した病院を辿っていきました。初診から二つ目の病院にカルテが存在し、平成2年に初診の病院で受診したとの記録が残っていました。それを根拠に、初診の病院を訪問し、何か記録が残っていないか調査を依頼。最初は25年も前なので、「記録は残っていない」の一点張りでしたが、粘りに粘って、ベテランの看護婦さんに確認したところ、カルテはなくても受診記録なら残っているかもしれないとの発言をいただきました。早速受診記録を確認してもらったところ、受診したかどうかはわからないが、病院で受付をしたという記録が出てきました。その日付と二つ目の病院の記録の年が一致したので、その受付をしたという証明を書いてもらい、二つ目の病院の受診状況等証明書と一緒に、年金事務所に申請しました。その結果、年金事務所でも初診日を認めてくれ、、障害基礎年金1級を受給することができました。
 ご家族の方に大変喜んでいただき、私もこの仕事をやっていてよかったと思いました。

2015年11月1日日曜日

障害年金の概要

障害年金の概要はこちら

事務ミスで年金減の救済案を了承 厚労省専門委

 

 厚生労働省は10月20日、日本年金機構などの事務処理や説明のミスが原因で国民年金保険料の納付機会を逃したために受給額が減った人らを対象にした救済案をまとめ、有識者の専門委員会に示し、了承されました。
 本人が申し出書とともに当時のメモなどの証拠資料を年金事務所に提出。機構が裏付けのための資料を収集し、明らかに不合理でなければ申し出の内容を認定します。ただし、本人の記憶だけで証拠資料が一切なければ救済しないということです。

2015年10月17日土曜日

年金事務取扱の変更 平成27年10月~

平成27年10月から、年金に関する事務取扱いが変更になりました。

  1. 「70歳以上被用者該当届」の提出者の範囲拡大
  2. 同月中の被保険者の資格取得・喪失に関する保険料の取扱い変更

1 「70歳以上被用者該当届」の提出範囲拡大

昭和12年4月1日以前に生まれた者(※)は「70歳以上被用者該当届」の提出を不要とされていました。
この取り扱いが変更され、今後は提出を要することとなります。
(※)平成27年10月時点で78歳(誕生日前の場合には77歳)以上

  提出に伴う影響

提出書類には、該当者の報酬額を記載します。
それに基づき報酬と年金額に応じた老齢厚生年金の支給停止が行われます

  保険料について

70歳以上の者は厚生年金保険の被保険者とはなりませんので、上記書類を提出した場合であっても、保険料は徴収されません

  参考までに

「平成12年4月1日以前生まれの者」が提出不要とされていたのは、平成19年に行われた法改正と関係があります。

厚生年金保険では、70歳になると被保険者の資格を喪失します。
前述の「報酬と年金額に応じた老齢厚生年金の支給停止」は、被保険者を対象として行われるため、平成19年3月以前は、70歳以上の者(=被保険者資格を喪失)は会社から報酬を受けている場合であっても支給停止の対象とならず、報酬と年金の両方を全額受けることができました。

現役世代に重い負担を課している中で、70歳以上の者で高収入を得ているものに対する老齢厚生年金の支給は、世代間の公平性に欠けるとのことから、平成19年4月より、70歳以上の被用者に対しても報酬と老齢厚生年金額とで支給調整をすることになりました(70歳以上被用者該当届を提出させ報酬額を把握)。
ただし、この運用は平成19年4月以降に70歳に達する者を対象とされ、平成19年4月時点ですでに70歳以上の者(昭和12年4月1日以前生まれの者)は対象外とされました。

今回の改正により、これまで提出不要とされていた方も提出対象者とし、一定の報酬額と年金額を受けている場合は、年金額の全部または一部の支給を停止されることとなります。

なお、4分の3未満の働き方等で「70歳以上被用者該当届」の提出対象とならない方については、今回は「不該当届」は提出しなくてもよいとのことでした(年金事務所確認済)。

2 同月中の被保険者の資格取得・喪失に関する保険料の取扱い変更

厚生年金保険の被保険者資格を取得した月に、資格を喪失した者(要は、入社してすぐに辞めてしまったケースです)が、さらのその月に国民年金の第1号被保険者となった場合の保険料の取り扱いが変わります。

従来厚生年金保険国民年金の両方の保険料を納付
今後国民年金保険料のみでよい

該当者する被保険者が在籍していた事業所には年金事務所から連絡があります。
既に給与支給を終えていた場合は、返金が生じる可能性があります。

なお、健康保険(および介護保険)では、このような取り扱い変更が行われていませんので、同月中に取得、喪失があった場合であっても従来どおり(保険料を納付)とされます。